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日本人の自然崇拝

古来、日本人は自然との調和の中で暮らしてきた。自然を崇め、その恩恵の中で感謝しながら静かに暮らしていた。それは今も残っている日本の庭園や神社仏閣、武家屋敷や古民家などのたたずまい、そして地方に伝わる数々の伝統行事からも辛うじて知ることができる。 18世紀ヨーロッパで産業革命がおこり、アメリカからは黒船が来て、日本も明治維新を迎える。職を失った武士は金を得るためにお宝を手放し、城も資金難で維持できなくて次々に取り壊され、貴重な美術品も次々と海外流出。そこでは昔のものは全てダメみたいな風潮もおこる。 明治前は橋をかけるにしても、自然の景観を壊さないよう、細心の注意がほどこされていたり、家を作るにしても庭と家が自然の中に溶け込んでるように見えるように作っている。美術品を見ても、自然や花鳥風月からネタをしこんで、繊細で丁寧で完成度が非常に高い。長い間の鎖国政策で日本独自の文化が根付いていた。それらは一部は伝統文化として今でも続いているけれど、多くのものは失われてしまった。一番悲しいのは、日本人が一番大切にしてきたはずの自然を破壊してしまっていること。自国だけでなく、外国の自然まで破壊している。日本の家を作るために熱帯雨林まで切り倒す。中国で使用してる農薬の一部は日本で製造し輸出している。日本では使用禁止でも商売では問答無用。そして今、原子力の事故で取り返しのつかない事態を引き起こすまでとなっている。すべての生物の生命維持に大切な海と大地と空が大量の放射能流出で汚染されつつある。 江戸時代前に戻れとは言わないけれど、1000年に一度の国難に見舞われ、さらにその二次災害じゃなくて人災であるレベル7の原子力事故に合って苦しめられてる今こそ、自然崇拝をしていたころの日本の生活を見直したほうが良いと思う。
産業や文化など生活の至ところで、自然と調和して暮らしていた歴史があるならば、その良いところをもっと先人に見習うべきだと思う。

2011年04月03日 カテゴリー:徒然