2018年05月04日
4月28-29日、ロシア(モスクワ)で開催されたHINODE POWER JAPAN 2018に招待され、
水墨画パフォーマンスを披露してきました。
場所;全ロシア経済博覧達成センター(VDNH)75番パビリオン。
オーガナイザー:ビジネスセンターJapan House(実行委員長 遠藤伊緒里氏)
28日、オープニングでの水墨画パフォーマンス。ロシアワールドカップにちなんだ絵。
オープニングの絵はYekaterinburg市に贈呈となりました。Yekaterinburgの知事代理の方にも
ご挨拶を受け、大変光栄なことでした。
29日会場内で5mの紙でパフォーマンス。ロシアにちなみ、熊を描きました。
絵は会場であるVDNHの社長自らが引き取りたいと言って下さり
作品はVDNHに収蔵となりました。大変名誉なこととなりました。
また、28日には全ロシア国営テレビ(Россия-1)に出演しインタビューを受けました。
放送内容は→こちらでご覧になれます。
会場の様子など。
ロシアは行く前はあまりよくわからない国でしたが、ジャパンハウスの手厚い庇護のもと
通訳の方をつけてくださって、とても楽しく滞在できました。
異国では言葉の壁がいつもあるので、上手くコミュニケーションできないことが
多かったのですが、今回は通訳の存在はとてもとても大きかったです。
通訳のスヴェータさんには本当に心から感謝!!!
スタッフ、ボランティアの方も皆とても親切で優しく、食べ物もどこでも美味しかったし、
ロシア大好きになりました。また行きたいなあ。
私がこのたびの思いがけない絵の収蔵やTV出演させていただいたことなどは、
ビジネスセンターJapan House及びENインターナショナルのロシアでの
長年の貢献のおかげだと思います。
素敵なイベントにご招待いただき、本当にありがとうございました。
2018年04月03日
伊東潤先生の連載小説「茶聖」4月2日から夕刊フジでもスタートです。
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私も挿絵で頑張ります。皆様宜しくお願いします。
絵はバテレン(宣教師)を茶室に招いての懇談の場面。豊臣秀吉。千利休。
2018年02月24日
硯を長年使ってきた経験で言うと、硯の値段よりも、擦る面がよく手入れされてるほうが濃い墨が早く摺れる。一番右が毎日、使っている雨畑(和硯)の硯。15年くらい前に2万円くらいで購入。一週間に3-4回は必ず砥石かけてるので、一番よく摺れる。隣は雄勝硯(和硯)。1万円以下の製品だけど、伝統工芸ものなりに、買った直後から完成されたスリ心地。濃い墨もよく出ます。その隣と左上は端渓(中国)。値段は5万円前後。某百貨店で買った左上などはまったく濃い墨が摺れない。
(注)私は硯についてはあまり詳しくないので、自分が購入し、使用したもののみでの感想です。
日本の雄勝硯はものすごく高品質。しかもリーズナブル。私が買った中国の端渓とは比べ物にならないくらい良く摺れる。
それは日本の硯職人の技術の高さによるものだ。ビデオを見るとその製作の見事さが伝わる。なんと、その技術は室町時代から続く伝統的産業である。
しかし、雄勝がある宮城県石巻市沿岸部は2011年の大震災で壊滅的な被害をこうむってしまった所。それまでは日本の硯の9割の生産高を誇っていた雄勝町も津波で山も職場もなにもかもが破壊され、多くの硯職人は廃業。震災前28人いた専門の硯職人が2人しかいなくなってしまったらしい。。。。。その後、2015年の映像では山で石も採掘してるし、硯職人も少し戻って来た様子。2015年では全国から注文殺到で、注文待ち状態の様子を語っている。徐々に復活しているのは嬉しい。それから3年たって、今どうなんだろう。ネット情報はほとんど2015年止まり。製品もほとんど出てこないからやはり品薄のようだ。。。。
硯産業を見ても、日本の伝統的な手作り産業が衰退しているのは明らか。雄勝だけではなく、雨畑などでも職人の数は風前の灯。しかも硯だけではなく、筆も墨も紙も、製造元の職人が減少し、年々、入手困難になってきている。画家としては死活問題。私1人では、ささやかな応援しかできないのがもどかしい。
昨今、クールジャパンとかでアニメやまんがが盛り上がってるけど、それもデジタル全盛になりつつある。しかし、水墨画や日本画のようなアナログ文化を根底で支えてくれている、このような何百年前も昔から続く日本の手作り産業が最もクールジャパンであると私は思う。どうか、その灯火が今後もなんとか存続しますように。。。。
2018年01月11日