2018年02月24日
硯を長年使ってきた経験で言うと、硯の値段よりも、擦る面がよく手入れされてるほうが濃い墨が早く摺れる。一番右が毎日、使っている雨畑(和硯)の硯。15年くらい前に2万円くらいで購入。一週間に3-4回は必ず砥石かけてるので、一番よく摺れる。隣は雄勝硯(和硯)。1万円以下の製品だけど、伝統工芸ものなりに、買った直後から完成されたスリ心地。濃い墨もよく出ます。その隣と左上は端渓(中国)。値段は5万円前後。某百貨店で買った左上などはまったく濃い墨が摺れない。
(注)私は硯についてはあまり詳しくないので、自分が購入し、使用したもののみでの感想です。
日本の雄勝硯はものすごく高品質。しかもリーズナブル。私が買った中国の端渓とは比べ物にならないくらい良く摺れる。
それは日本の硯職人の技術の高さによるものだ。ビデオを見るとその製作の見事さが伝わる。なんと、その技術は室町時代から続く伝統的産業である。
しかし、雄勝がある宮城県石巻市沿岸部は2011年の大震災で壊滅的な被害をこうむってしまった所。それまでは日本の硯の9割の生産高を誇っていた雄勝町も津波で山も職場もなにもかもが破壊され、多くの硯職人は廃業。震災前28人いた専門の硯職人が2人しかいなくなってしまったらしい。。。。。その後、2015年の映像では山で石も採掘してるし、硯職人も少し戻って来た様子。2015年では全国から注文殺到で、注文待ち状態の様子を語っている。徐々に復活しているのは嬉しい。それから3年たって、今どうなんだろう。ネット情報はほとんど2015年止まり。製品もほとんど出てこないからやはり品薄のようだ。。。。
硯産業を見ても、日本の伝統的な手作り産業が衰退しているのは明らか。雄勝だけではなく、雨畑などでも職人の数は風前の灯。しかも硯だけではなく、筆も墨も紙も、製造元の職人が減少し、年々、入手困難になってきている。画家としては死活問題。私1人では、ささやかな応援しかできないのがもどかしい。
昨今、クールジャパンとかでアニメやまんがが盛り上がってるけど、それもデジタル全盛になりつつある。しかし、水墨画や日本画のようなアナログ文化を根底で支えてくれている、このような何百年前も昔から続く日本の手作り産業が最もクールジャパンであると私は思う。どうか、その灯火が今後もなんとか存続しますように。。。。
2018年01月11日
2017年12月21日
小惑星探査機「はやぶさ2」扇子が手元に来ました!JAXA相模原様のvipプレゼント用。舞扇堂製(京都)、香りもほのか。その後、はやぶさ2ミッションは見事に成功し、地球帰還。そして2021年、11月JAXAがはやぶさ2が持ち帰った小惑星試料をNASAに届けた際に、この扇を贈呈されたそうです。とても光栄に思いました。記事はこちら。JAXAのニュース(2021年)リュウグウサンプル、NASAへ引き渡し完了
↓墨絵 宇宙 衛星
2017年11月29日
連載小説「茶聖」(伊東潤著;幻冬舎)が山口新聞、神奈川新聞など地方新聞にて2017年末より順次掲載。夕刊フジでも2018年4月より連載。その挿絵を水墨画の渡邊ちょんとが担当させていただきます。日本の伝統的な文化が世界各国で興味を集めている現代。千利休は室町から安土桃山時代に活躍した第一級の文化人であり、その礎を作った一人。その人物の生き様に迫る、伊東先生執筆の本作挿絵を描かせていただけること、大変光栄です。誠心誠意、筆を揮いますので、皆様宜しくお願いします。
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